DualDiamond S22HT は、スライド式QWERTYキーボードを搭載したHTC社製のスマートフォン。2008年12月20日にemobileから発売されたものです。同じくスライド式QWERTYキーボードを搭載し、2005年にウィルコムから発売された W-ZERO3(WS003SH)や、2008年にemobileから発売されたEMONSTER(S11HT) の流をくむ製品と言えるでしょう。
『ウィルコム定額プラン』や『EMモバイルブロードバンド』の話題性と、W-ZERO3やEM・ONE、EMONSTERで認知獲得してきたことに加えて、重さ約140gのなかに、EMONSTER(190g)の機能を詰め込んだ構造となっており、より「小ささ」「軽さを」求めるユーザーに注目された製品です。
当時、140gの端末で、メール、ウェブブラウズのみならず、Excelまで扱え、且つQWERTYキーボードを搭載した機種は見当たりません。それだけ特殊な機種だった訳です。
改めてその構造を見てみると、DualDiamond S22HT は、スライド式QWERTYキーボードを内蔵しているにも関わらず、本体前面に10キーとカーソルキーが用意されています。これは、S22HTがタッチ操作に対応していないためで、QWERTYキーボードを閉じた状態でも操作ができるように設計されたもの。小型軽量を極める思想でありながらも、本体前面と内蔵QWERTYキーボードの両方に10キーとカーソルキーを搭載するという、一見無謀とも思える設計でした。
しかしながら、実際に使ってみると、縦型で手に持った感じは、その10キーとカーソルキーの恩恵で、まるでストレートタイプのガラケーのようにしっくりきます。そして、少し長めの文章を打ちたいときにはQWERTYキーボードを引き出す、といった具合に使い分けられるのが面白く、ガジェット好きの方が興味を持つ機種でした。
EMONSTERのように、液晶画面がチルトアップしないため、机に置いてタイプするのには向かず、両手で左右をホールドして親指で打鍵するスタイルになります。
emobileのキャリアサービスである EMnetメール のほかに、一般プロバイダメールの送受信にはnPOPが使えるなど、WindowsMobile6.1 を採用した恩恵を受けてカスタマイズ性に富んだ使い方ができました。
W-ZERO3、EM・ONE、EMONSTER、DualDiamondS22HT、それぞれ使い込んで残っている印象としては、新しいサービスを使う喜びを感じられたのが、W-ZERO3 と EM・ONE。QWERTYキーボードでの文字入力のし易さは EMONSTERが一歩優れていましたね。S22HTは、携帯性を追求しつつもカスタマイズが可能という、その特殊端末を所有していること自体に満足感を得られる端末でした。
【DualDiamond S22HT 詳細スペック】
イー・モバイル HTC社製 スライド式QWERTYキーボード装備
2008年12月20日発売
CPU Qualcomm MSM7225 528MHz
内部メモリ(最大容量) ROM:256MB/RAM:256MB
OS Microsoft Windows Mobile 6.1 Standard Edition
ディスプレイ 約2.4インチTFT液晶、320(H)×240(W)ドット
メインカメラ:約320万画素(CMOS)
通信方式 HSDPA /W-CDMA(1.7/2.1GHz)、GSM(900/1800/1900MHz)
Bluetooth通信 2.0+EDR
サイズ 43.4(W)×116.3(H)×17(D)mm
質量 約140g
主要内蔵ソフト
HTCホーム、InternetExplorer Mobile、Word Mobile、ExcelMobile、Power PointMobile、
OutlookMobile、Windows MediaPlayer Mobile、ActiveSync、AdobeReaderLE、他
現在実用できるもののなかでは、端末の性質として JellyPro が近いかも知れません。JellyProの詳細は過去記事をご覧ください。